肝臓とは?

身体の化学工場

肝臓は、お腹の右上部分にある、およそ1kg~1.5kgもの重量のある臓器です。


身体の中で最も大きな臓器で、非常にたくさんの酵素を使って、摂取した栄養素などを化学変化させる役割を持っています。

肝臓が行う化学変化は500種類以上と言われていて、これらの機能を人工的な装置で行うのは、まだまだ難しいといわれています。今ある肝臓を労わり、健康に保つことが大切なのです。

肝臓の主な働き

肝臓には、主に以下のような働きがあります。

代謝
摂取した栄養素を、身体でつかえる形に変えたり、貯蔵して必要な時に送り出します。

毒の中和
お酒に含まれるアルコールや煙草のニコチン、アンモニア、乳酸といった身体によくない働きをする物質を無毒化します。

胆汁の分泌
脂肪などはそのままでは水に溶けず、うまく吸収されません。肝臓から分泌される胆汁は十二指腸へと流れていき、脂肪を乳化させ吸収しやすくします。

その他、免疫細胞のコントロールや血液の調整、体温の維持など様々な役割を持っています。

とてもタフな臓器、肝臓

大きな予備能力と、再生能力
肝臓は多少細胞が壊れてしまっても働き続けることのできる臓器です。健康な人であれば肝臓全体の30~40%を使って生活していて、病気などである程度肝臓の能力が低下しても、代償作用による高い回復力で働きを維持することが出来ます。

また、再生能力も高く、細胞の一部を切り取っても元の大きさまで回復する唯一の臓器でもあります。

肝臓病になっても自覚症状が出にくい
肝臓はそのタフさゆえに、炎症を起こしてしまったり、ウイルスに感染してしまうなど多少の問題が起こっても代償作用により元に戻ることが出来ます(肝臓の予備能)。

その為、肝臓に負担がかかっていたとしても自覚症状として現れにくく、分かりやすい自覚症状として現れたときには症状がかなり進行してしまっていることもあります。

普段から肝臓に負担をかけ続けてしまわないよう、日頃の生活習慣を見直してみることも大切です。