肝臓が痛むのはどういう時?

肝臓自体は痛みを感じない

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、ウイルスなどに感染して炎症を起こしたり、肝細胞が破壊されたとしても痛みとして出ることはなく、何かあっても基本的には自覚症状がない、または少ない臓器です。

肝臓付近に痛みのようなものを感じる、圧迫感があるという場合も、肝臓自体の痛みではなく、肝臓が腫れたり機能が低下してしまったことによる、周りの臓器の痛みかもしれないのです。

肝臓が原因で痛む場所

腹部
多量飲酒を行うと、肝臓が腫れて右上腹部が痛むことがあります。


単純に肝臓に近いので、肝臓が腫れた際の痛みを胃痛と感じる人がいるようです。その他に、肝機能低下と胃炎を合併で発症している可能性もあります。この場合、原因は胃炎のみと思い込んでしまい、肝臓周りの僅かな痛みや、風邪の初期症状にも似た気づきにくい症状を見過ごしてしまうことも多いです。

身体の右側(右肩、右背中、右腰)
肝臓が右側にあるため、不調があると身体の右側に不調が出やすいといわれています。

肝臓が痛む場合、考えられる病気

肝機能の低下は、疲れやすさなどとして現れることもありますが、日頃の疲れと混同しやすい上、症状が出ない方もいます。

はっきりとした痛みとして症状が出ている場合、以下のような肝臓病になっているかもしれません。

肝がん
腫瘍が大きくなると肝臓を覆っている膜(被膜)が引き延ばされ、肝臓全体の圧迫感のような痛みを感じることがあります。がんが被膜にまで浸潤すると、出血し、痛みが強くなります。

アルコール性肝炎
多量飲酒をすると、肝臓が炎症を起こし、腫れて痛みを感じることがあります。飲酒量が多い、常習的に飲酒している、という場合は、アルコール性肝炎かもしれません。

急性肝炎
痛みのほかに微熱などを伴う場合、急性肝炎かもしれません。急性肝炎は上記のアルコール性のほかに、ウイルス性や薬剤性などが存在します。

原因不明の痛みは、早めの受診を

心当たりのない謎の痛みは、痛覚の無い内臓由来の場合があります。我慢できる程度だからと放置せず、気になる痛みがある場合は総合病院などを受診しましょう。